「自分のことなのに苦しい理由が分からない」と悩んでいる方はいらっしゃいますか?
誰にでも、「なぜか分からないけれど生きづらい」「自分には許されない気がする」といった、根拠のない感覚を心の奥に感じるあることがあります。
それは、あなた個人の経験だけではなく、もっと大きな“集合的な記憶”に触れているからかもしれません。今回は、集合的無意識に繋がっている「戦争」をテーマにお伝えしようと思います。
集合的無意識とは?
心理学者ユングが提唱した「集合的無意識」とは、「私たちが個人として意識していないにも関わらず、共通して持っている深層の記憶」です。
国・文化・歴史の中で蓄積された感情や体験が、無意識の層に染み込んでおり、ときに人生の選択や感情反応に影響を与えることがあります。
戦争の記憶は、今も私たちの中にある

戦争は過去の出来事として教科書に記され、年々“歴史”としての扱いになってきています。
けれど、その傷や記憶は決して過去のものではなく、今を生きる私たちの中にも深く刻まれているということを、私たちは見落としがちです。
例えば、感情のコントロールができなくなるとき、極端な不安や焦燥感が湧き上がるとき、それは個人の性格や出来事の問題ではなく、もっと大きな集合的無意識(魂の領域)からの影響があることも少なくありません。
私たちは無意識のうちに、先祖や社会が背負ってきた未処理の感情や傷を“自分の感情”として抱えていることがあります。
そしてそれは、自分を苦しめるためではなく、「癒しのステージに来たよ」と知らせるために現れるのです。
戦争という言葉には収まりきらない、怒り・絶望・哀しみ・恐怖といった幾重にも重なった感情の記憶が、今の私たちの心の深層にさざ波のように響き続けている。それを感じたとき、私たちはもう、過去から自由になる準備が整ったのかもしれません。
ある“依存”に関連するブロックのルーツ

以前、私自身が向き合ったブロックのひとつに「依存」がありました。
それは「○○なしでは生きていけない」という強い執着や不安のような感覚。何がその源なのかを深く探っていったとき、私の祖父の戦争体験に辿り着きました。
祖父は戦争中、ロシアで捕虜になり、今でいう違法薬物のようなものを投与され、実験台のような扱いを受けたそうです。奇跡的に日本軍に救出され、帰国後は依存状態から治療を受けて回復したとのことでした。
当時の祖父にとって「薬なしでは生きていけない」「逃げられない」「体も心も支配される」という体験は、凄まじい恐怖と無力さを感じたことと思います。
そしてその感情が、世代を越えて私の潜在意識に“感覚”として届いていたのです。
「戦争」という言葉一つでは表しきれない、複雑で多層的な感情が私たちの中に静かに流れています。そしてそれは、“自分のものではないような感情”として人生に現れることがあります。
こんな感覚、ありませんか?
・自由に生きていいはずなのに、どこか罪悪感がある
・お金や愛を受け取ると、申し訳なさが湧いてくる
・楽をしてはいけない、苦労しないと価値がないと思ってしまう
・「逃げられない」
・「押さえつけられる」
・「誰にも助けてもらえない」
・「怖くて、本当のことが言えない」
上記は一部ですが、こうした感覚は、自分の人生だけで説明できるものではなく、時代の中で強烈に体験された“魂に記憶されたエネルギー”が浮かび上がってきたとも言えるのです。
私たちは無意識のうちに、先祖や社会が背負ってきた、浄化されていない感情や傷を“自分の感情”として抱えていることがあります。それが、「なんで苦しいのか分からない、変わりたいのに変われない」という思いに繋がっているケースがとても多いのです。
そしてそれは、自分を苦しめるためではなく、「癒しのステージに来たよ」と知らせるために現れています。
若い世代に表れる“軽さ”とその裏側
現代の20代、30代の世代は、“自分を大事にする”“無理しない”“自分らしく”という価値観を自然に受け入れている人も多く見られます。
しかし、一見「軽やか」に生きているように見えますが、「めんどくさい」「関係ない」「しょうがない」という言葉を使う人も多く、その言葉の裏にも、実はブロックが隠れていることがあります。
私のクライアントさんの中にも、「変わりたいのに変われない」「同じパターンを繰り返す」と感じている人がいらっしゃり、その根っこには集合的な無意識が関わっていることも少なくありません。
思い込みやブロックは、時代を越えて浮かび上がる

風の時代に入り、これまで心の奥底に沈んでいたものが浮上しやすくなっています。
思い込み、いわゆる“ブロック”と呼ばれるものの多くは、自分の人生での経験からだけでなく、先祖代々から受け継がれてきたものや、過去生の記憶に由来するものがほとんどです、と私は言い切れます。なぜなら、今世に思い込みやブロックが出来た理由が見当たらないからです。
「なぜか理由は分からないけど、ずっと重たい感覚がある」
「自分ではどうしようもできない無力感に襲われる」
「誰にも言えないけれど、ずっと同じ苦しみを抱えている」
そんなふうに感じている方は、“どこから来たか分からないまま”もやもやを抱えている状態かもしれません。
それは、あなた個人が悪いわけでも、何かの努力が足りないわけでもなく、魂の深い部分で「もう終わらせよう」「もう解放しよう」としている“何か”が、あなたを通して現れているのです。
あなたという存在を通じて、時代の傷が癒され、終わろうとしている。そう考えると、あなたの今の感情にも、大きな意味があると思えませんか?
あなたは悪くない

・「何をやっても変われない」
・「ずっと同じことで悩んでいる」
・「もう頑張るのに疲れた」
そんな気持ちになる時、人は「しょうがないよね」と自分をあきらめることで、目の前の苦しさから逃れようとすることがあります。
それはとても自然な反応です。誰だって、ずっと苦しいのは辛いし、諦めた方が楽に感じる瞬間もある。
でも、もしも心のどこかで「やっぱり私は変わりたい」「このままでは終わりたくない」と思っているなら、その声こそが、あなたの魂の本音かもしれません。
「苦しい」と感じて色んな情報を探しているなら、本当の自分とのズレがあるからで、その違和感をキャッチできているあなたは、もうすでに癒しと変化の扉を開けようとしている状態だと思います。
だからこそ、まずは自分を責めないでください。
誰も悪くありません。「悪い」と決めているのもある意味集合的無意識が作り出した価値観です。
どんな感情も、あなたを導くサイン。「しょうがない」で終わらせる前に、ほんの少しでも「なんで私はそう感じるんだろう?」と自分に問いかけてみてください。
その先に、今までとは違う道が見えてくるかもしれません。