宿命と運命

私たちは「宿命」と「運命」という言葉を耳にすることがありますが、その違いを明確に説明するのは難しいものです。そこで、土地とビルを例えにして書いてみます。

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宿命とは「土地」

宿命とは、生まれ持ったもの。例えば、どの国に生まれたのか、どんな家族のもとに生まれたのか、先天的な体質や性格の傾向など、自分では選べない、という説明がほとんどだと思います。しかし私は、魂が今世の学びの核のようなものを果たすために、最適な環境を選んで地球に降り立ったと思っています。

最初に降り立った場所を「土地」に例えると分かりやすいでしょう。土地は最初からそこにあり、私たちが選んだわけではありません。「すでにあったもの」という感じでしょうか。広い土地もあれば、狭い土地もある。山の上の土地もあれば、海の近くの土地もあります。大都会のど真ん中、ということもあると思います。土地を「変えられないもの」と例えて考えると、その土地の使い方は私たち次第です。

宿命の初めの学びは親

宿命は単に決められたものではなく、使命を果たすために選んだものでもあります。深掘りすると、神様との約束、という深い話にもなりますが、ここでは詳しくは割愛します。
私たちは地球に降り立つ度に、それぞれがテーマを持って生まれます。強く表面に出る「癖」とでも言いましょうか。その最初の学びの場が「親」です。親との関係を通じて最初の試練や学びを受けることになります。
後にこれらの試練や学びが「インナーチャイルド」として心の傷として残ることが多いのですが、それですら、「今世の学び」として持って降りてきた課題となります。

宿命は過去生からのお土産

一例として挙げると、ひどく人を傷つけたことがあった過去生があった場合(ほとんどの人はそれを体験していますが)、今世は傷つけられた側の思いを理解するような学びを強く持って生まれてきていることもあります。

過去生の出来事でカルマとなったことがあれば、転生していく間に解消できなければまた来世、と持ち越されているものもあるかもしれません。それらの何かが強い学びとして「こう生きる」という宿命として、学び続ける課題になるのかもしれません。

運命とは「建物」

一方、運命は私たちがどのように生きるか、どんな選択をするかによって変わります。土地の上にどんなビルを建てるのか、一戸建てにするのか、何階建てにするのか、どんなデザインにするのか、それはすべて自由です。

親は変えられませんが、成長する過程で色んな選択ができます。親に従うのか、反抗するのか、どんな価値観を持つのか。大人になるにつれ、選択肢は増え、どの道を進むのかを決めるのは自分自身であるということになります。
建てられた建物の中から出ずに温室で過ごす選択をするのか、早い時期に新たな自分の建物を建てる選択をするのか、建てようと思ったのに理由があって建てられず、外で過ごしている、というのも選択の1つ。

運命に決まりはない

結局のところ、使命を果たすための決まった道はありません。どの選択肢を選んでも、使命を果たすための学びの数の違い、というイメージです。選択によって運命は変わります。使命のために遠回りすることもあれば、最短で進むこともありますが、それもまた学びの一部です。遠回りなのか最短なのかは誰かが決められるものでもありません。
どのルートを歩むかはすべて自分の選択次第で、成功も失敗もなく、正しいとか間違いでもなく、「完全」です。

魂は学びたい

魂は「たくさんの事を学びたい」ので、目の前の選択肢はその都度人間である私たちを悩ませるようなことかもしれません。学びたい、というのは「感情を感じたい」ということで、地球で感じることが出来る感情を魂は感じたいわけです。
なので、私たちが「嫌だわ~」とか「やってらんない」とか「いい加減にしてくれ!」などの思いから感じる感情でさえ、魂としては「ほ~、こんな感じなんだ?おもろいわ」のような、これは私的な表現になりますが、感情を知って学びとして受け取ります。
どの運命を選ぶかは自分次第ですが、選択する時に「嫌だな」と思う方が、魂としては「たくさん学べる」ということになるのではないかと思います。

過去生での出会いが今世に繋がっている

私は、宿命とは過去生の体験の流れから決まっているのではないかと考えています。
今世の親や子供とは、過去生でも出会っていることが多く、その関係性は必ずしも肉親とは限りません。

姉との関係

私には3人の姉がおり、過去生で何度も縁がありました。そのうちの1人とは、インナーチャイルドの影響で最近まで「許せない」と感じていたことがあります。この姉とは、過去生でのカルマを解消するために、今世の立場(年齢の差や上下関係、性格の違いなど)を設定して再び出会いました。彼女から学ぶテーマは、「許すことの難しさ」でした。

幼少期の私はとにかくこの姉が怖くて、避けて逃げ回っていました。そのため、「許す」という概念は、つい最近まで私の中にはありませんでした。しかし、彼女の言動を通じて自分の感情を見つめ直していくうちに、私自身の浄化のために、彼女が先に同じ親を選んで生まれてくれていたと気づいたのです。その瞬間には、インナーチャイルドは癒されていました。

私とその姉は、「過去生からの因縁の相手」でしたので、「今世ではこういう関係で出会うことになったのか~」と腑に落ち、今では感謝の気持ちが湧いています。

元夫との関係

また、2021年に離婚した元夫も、本当に深い学びを与えてくれる相手でした。離婚後もなお、彼から学ぶことは多く、今は感謝しかありません。ふと元夫の深い愛を感じ、涙が出ることもあります。

元夫との関係の直近の過去生を遡ると、彼は生まれることなく亡くなった私の子供だったことが分かったとき、私は彼に対して、なぜか子供のように感じていたことに納得しました。実際に彼も、私に対して「母親みたい」と言っていたことがありました。その言葉の意味が、今ならよく分かります。
何をするにも私に聞いてきました。「これやってもいい?」「こう思うんだけど良いのかな?」など…当時の私は「いちいち聞いてこないでよ!」とイライラしていましたが言葉に出すことはできず。
過去生、生まれることなく短い生涯を終えた元夫は、魂のどこかに、「この人の子供として生きたかった」という記憶があったのだと思います。

過去生を辿ると、「ほんとにわたしって…」という事実が見えるので、今世ここまでマインドブロックを外してるんだな、、、と納得なんですよね。

さいごに

宿命は私たちのスタート地点であり、変えられない要素です。しかし、その上にどんな人生を築くのか、どんな運命を生きるのかは、私たちの選択次第。どんなに厳しいと感じる環境であっても、今世やりたいことが出来る時代に生まれている私たちはそれだけでも幸せで、少しの勇気でどんな人生でも歩める選択肢を与えられていることに感謝ですね。

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