私たちの人生において、「事実」と「思い込み」の違いを理解することはとても重要です。特に潜在意識のマインドブロックが表面(顕在的)にたくさん出ている状態の時には、事実ではないことを事実のように信じ込み、自分で自分の行動や未来を制限してしまうことがあります。
今回は、そんなマインドブロックが引き起こすすれ違いや誤解について、2つの具体例を挙げて説明します。
例1:恋愛におけるすれ違い 〜女性の「愛されていない」という思い込み〜

恋愛中の女性はよく、「彼が冷たくなった」「避けられている気がする」「私に興味がなくなったのかも」と感じることがあります。しかし、それは事実でしょうか?
例えば、彼からの返信が遅くなったり、デートの頻度が減ったとします。すると女性は、「私への愛情が冷めたのかもしれない」「私は愛されていない」「浮気しているのかも」と思い込んでしまうことがあります。しかし、事実としては、「彼が単純に仕事で忙しいだけ」というケースがほとんどです。
この「愛されていない」や「浮気を…」という思い込みが強くなると、不安になり、彼を責めたり、試したりする行動を取ってしまうことがあります。彼に詰め寄ったり考え込んでしてしまうと、その結果、本当に関係が悪化してしまうこともあるでしょう。
愛されていない、と思わなくなるためには
このようなすれ違いを防ぐためには、「私は愛されていない」と思ったとき、「それは事実なのか?それとも単なる思い込みなのか?」とまず自分に問いかけることが大切です。
もし浮気を疑ってしまうなら、「なぜ私は浮気を疑うのか?」と自分の内面を見つめ直してみましょう。
「愛されていない」と感じる場合、その感覚の根本は幼少期の親との関係にあることが多く、深い場合は過去生までさかのぼることもあります。また、浮気を疑う思い込みの背後には、過去生やご先祖の影響があることも考えられます。
こうした思い込みは、過去の出来事で傷ついた感情が潜在意識に残っていることから、現在の状況と重なることで再び浮かび上がるものです。「愛されていない」という思い込みの背後には寂しさや悲しさ、怒りが隠れていることもあります。「浮気を疑ってしまう」場合は、嫉妬や怒りなどの感情の解放が求められているサインかもしれません。
このような感情が湧いてきたときは、「それは本当に今の彼が原因なのか?」と自分に問いかけ、冷静に事実を見極めることが重要です。
例2:自己評価と成功のブロック 〜「私には才能がない」という思い込み〜

新しいことに挑戦しようとするとき、「私には才能がないから無理」「どうせ何をやっても続かない」と思ってしまうことはありませんか?
過去に何かうまくいかなかった経験があると、「また失敗するに違いない」というネガティブな思いが浮かび上がることがあります。しかし、過去の失敗は単なる経験であり、未来の成功を決めるものではありません。
「また失敗する」「やっぱり無理」という言葉が頭に浮かぶ場合、それは過去のどこかで同じような感情を体験し、そのときのネガティブな記憶が潜在意識に刻まれているということです。
失敗する、と思うということは、誰かから聞いたか、いつか何かで見た、あなたの価値観により作り上げられた「成功者」がいるはずです。その「成功者」と自分を無意識に比較していることにまず気づきましょう。「あの人のようになりたい」と思ったなら、そこには劣等感や妬みの感情が湧いています。
そして、あなたが感じる「成功者」も、最初からスムーズに今に至ったわけではなく、何度も壁を越えた結果、今の結果となって現れています。そして、「成功者」は、自分を「成功者」とは思っていないことがほとんどです。
彼らは、常に無限に可能性を探していて、終わりを見ていない場合がほとんどです。自分の力を信じ続け、かなり先を見据えて行動しています。成功者と言われる人とそうではない人の違いは、「行動しているかしていないか」だけだといっても良いと思います。
行動できない、を行動できる、にするためには
実際に行動に出ようとしたとき、何も思わず行動に移せる人とそうでない人がいます。行動できない場合は、マインドブロックが影響しています。「失敗するかも」「またダメだった」という思いがどこかから湧いてきて、失敗するのが分かってるのにやってもムダ、という思考が働き、行動を止めてしまいます。
この時、失敗したら…や、またダメだった…、と思う先にどんな感情を感じているのかを見つめてみて下さい。これらの思いを抱えたままでは、必ずまた失敗し、またダメな結果に終わります。なぜなら、潜在意識が現実を生み出すからです。行動したくても出来ない理由は、潜在意識のマインドブロックが原因なので、まずやるべきことは、「マインドブロックを外す」行動に出ることです。
もし成功している人を羨ましく思ったり妬んだりしていることに気づいたら、大きな手放しのサインです。また、「あの人はすごい」と思う場合は、自分に劣等感や悔しさがあることにも気づくのではないでしょうか。
これらの感情をマインドブロックとして外していくと、人と比べることもなくなり、自分のペースで自分の思い描く成功に着実に進んでいけるようになります。
そして、マインドブロックを外した後には、「私は才能がない」という思い込みは、「まだ経験が足りなかった」とか、「自分の個性を活かして自分のペースでやっていこう」と変わっていきます。
思い込みを手放し、事実を見つめる

思い込みが強いと、現実を歪めて見てしまい、本来ならスムーズに進むことも「どうせ無理」とネガティブに捉えてしまったり、相手のことを疑ったり、考えすぎてどんどん自信を無くしてしまいます。これは、色眼鏡をかけて物事を見るようなもの。本来はクリアな世界が、潜在意識に眠るネガティブな記憶によって色づけされてしまっているのです。
「また」「やっぱり」と思うことがあれば、それは過去のどこかで似たような感情を経験し、その感情が潜在意識にブロックとして残っているサインです。自分では覚えていなくても、潜在意識と深くつながることで、原因となった出来事を思い出すことができるようにもなります。
そして、「これは本当に事実なのか?」と自分に問いかける習慣をつけることで、潜在意識のマインドブロックを解除し、俯瞰して事実を見つめる力が身についていきます。それが出来るようになるころには、自分に自信を持てるようにもなり、周りの誰かに気を取られることなく、肩の力を抜いて「今」を楽しめるように変わっていくでしょう。
